#読書

この夏読んだ本 泉鏡花文学賞受賞作品

先日も触れましたが、泉鏡花文学賞受賞作品を図書館などで探して少しずつ読んでいます。 今までにも何冊か読みましたが、この春以降読んだものの中から一部感想を書こうと思います。 小川洋子「ブラフマンの埋葬」は、どこか孤独を感じさせる青年と小動物ブ…

この夏読んだ本 京極夏彦

春から夏にかけて京極夏彦を集中的に読みました。 著作が多くて一冊一冊が恐ろしく分厚いので、まずは各賞受賞作品「後巷説百物語」と「覗き小平次」。この二作は春ごろ。加えて、最近角川から文庫本も出ました「豆腐小僧双六道中」の「ふりだし」と「おやす…

短歌によせて 「うたう百物語 Strange Short Songs」(その2)

短歌についてばかりでは何ですから、佐藤弓生の小説についての感想もひとつ。 一番好きな小説は、「いづくより生れ降る雪運河ゆき われらに薄きたましいひの鞘」(山中智恵子)に付けられたもので、いのちについて書かれていた。そこでは「たましいひの鞘」…

短歌によせて

最近読んだ本の中でちょっと異色だったのは、現代の幻想的短歌に佐藤弓生が小説を付けた「うたう百物語 Strange Short Songs」(メディアファクトリー)でした。 付属する小説は見開き分2ページの超短編。短歌は明治以降の歌人や文学者から99首。石川啄木…

借りてきた本

病院へ行く途中に図書館があります。 今回借りたのは、日本文学の全集物の中から2冊。 休館日の都合もあり、急いでいたので収録されている作品全部は読めませんでした。 目的は幸田露伴の「五重塔」と石川淳の「鷹」でしたが、幸田露伴は同時収録されていた…

2012年 夏の読書

久し振りのブログです。 夏の間は去年同様息を潜めておりました。 今年も書店の夏のフェアに乗じていくつか文庫本を読みました。 一番心に残ったのは新潮文庫の100冊の中の一冊「神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く」(石井光太著)。 イスラム圏の性に…

幻想怪奇文学 マッケン&ブラックウッドを少々

ここ数年、ちくま文庫を中心とした文豪による怪談小説を読んできましたが、この数カ月は海外の幻想怪奇小説に少しだけ挑戦しておりました。 読んだのは「秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集」(光文社古典新訳文庫)と、アーサー・マッケンの「怪奇クラ…

イーリアスを読んでみた

前にもちょっとだけ書きましたが、ホメロスの「イーリアス」を読み終えたので感想を少し。 アキレウスの気性の激しさも然ることながら、一番驚いたのは、戦の最中に倒した相手の武具をその場で剥ぎ取る行為が普通に行われていたことでした。 「盾や槍ならと…

ファウストとかホメロスとか

最近は読書もなるべく無駄遣いをしないよう、我家にあるものを優先的に読んでいます。 もちろん、どうしても心惹かれて新たに購入してしまう本もあるのですが、それでもとにかく、我家に眠っている未読の本を幾分なりとも片付けていこうと思っております。 …

浮世草子を読んでみました

最近、浮世草子の類を読んでいます。 岩波の日本古典文学体系に収録されているもので、頭注を見ながらですが、結構面白い。成立が江戸時代(元禄時代)のものなので、文章も現代に近いし、時代劇などの知識にも助けられて、源氏物語や土佐日記よりも読みやす…

当たった!

何が? という感じですが、ナツイチのハチぬいぐるみです。 郵便受けに覚えのない、飾り気のまったくない小包みがあったので、どこからかと思って差出人を見たら東京都一ツ橋とあるではありませんか。それって、確か集英社では? と思い当たったところで思い…

夏の読書記録

今年の夏は結構本を読みました。 夏の文庫フェアに乗じてナツイチを3冊読んで縫いぐるみに応募し、他に角川文庫を一冊、他にも他社の、フェアとはまったく関係のない新刊をちらほら。 その中で一番印象に残ったのは前述の角川文庫の一冊「少女地獄」でした…

暑中お見舞い申し上げます

皆さま、暑中お見舞い申し上げます。 私の住んでいる地方でも日中は三十度を軽く越える厳しい暑さが続いていますが、夜は意外と風もあって涼しく過ごすことができ、助かっています。 さて、夏ということで今年も本屋で文庫本のフェアが花盛り。 今年は集英社…

日々の徒然 「人間失格」を読んでみた

最近、所謂近代文学の古典を少しずつ読んでいます。 就職してお金が自由に使えるようになってから毎日本屋に通ってあれこれ買い漁り、読書は結構したのですが、買って読むのは新書ばかりで小説というものにはあまり触れてきませんでした。物語性は小説よりは…